東京高等裁判所 昭和55年(行ケ)70号 判決
原告主張の請求原因事実はすべて当事者間に争いがない。
そうすれば、審決には本件考案の要旨認定に誤りがあつたことに帰着し、これが審決の結論に影響を及ぼすことは審決の理由に徴して明らかであるから、違法として取消を免れない。
よつて、本件審決の違法を理由にその取消を求める原告の本訴請求を正当として認容することとする。
〔編註〕 事件における審決の取消事由は左のとおりである。
本件審決がされた昭和五五年一月二三日の後である昭和五五年六月二日、原告は、本件考案の願書に添付した明細書の訂正をすることについて審判を請求した。この請求は、昭和五五年審判第九八六三号事件として審理され、同年一〇月二二日右訂正の審判の請求公告がされた上、昭和五六年四月二一日「登録第一〇八〇一二〇号実用新案の明細書を本件審判請求書添付の訂正明細書のとおりに訂正することを認める。」との審決があり、その謄本は、同年五月一三日原告に送達され、かつ、右審決は確定した。これにより、本件考案の要旨は、その出願の時点に遡り、前記二の項2に記載のとおりのものとみなされることとなつた。
そうすると、審決には、その前提とした本件考案の要旨認定に誤りがあつたことに帰着し、これが結論に影響を及ぼすことは審決の理由に徴して明らかであるから、審決は、違法として取消されるべきである。